お盆休みに家族が実家にあつまり、「古くなった実家を今後どのようにしようか?」、「両親が快適に住み続けられるように、どうにかしたい…」など、話し合われた方もいらっしゃると思います。
建て替えとリノベーションを比較検討する際に、ポイントになる部分を解説します。
[今回のメニュー]
まずは建て替えとリノベーションの定義を知ろう。
建て替えの特徴とポイントを知ろう。
リノベーションの特徴とポイントを知ろう。
建て替えのメリット・デメリットを知ろう。
リノベーションのメリット・デメリットを知ろう。
①まずは建て替えとリノベーションの定義を知ろう。
建て替えとは、老朽化や機能性・効率性の向上を目指し、既存の建物を解体し、新たに工事を行って家を建てることです。
これらの作業を「建て替える」と言います。これに似た表現としては「再建する」「新築する」などがあります。
一方、リノベーションとは、従来のいわゆる修繕工事やリフォームといった一部分の改修工事に比べ、大規模に住宅やマンション、商業施設といった建物を修復、刷新、改修を実施し、再生させることを示します。
②建て替えの特徴とポイントを知ろう。
建て替えを行う場合、設計には敷地の広さや形状が大きく影響します。また、解体費用や庭などの造成費用なども必要になってくる場合があるので、加味しておくことがポイントです。
各地域には独自の建築基準法があり、建て替えの際にはこれを遵守する必要があります。例えば、建ぺい率や容積率といった制限により、思い描く理想の住宅が実現できない場合もあります。
建て替えには解体費をはじめ、先に挙げたさまざまな費用がかかります。一方、性能面や構造面を重視した家づくりを実施すれば、長期的には維持費や修繕費を抑えられる可能性があります。
③リノベーションの特徴とポイントを知ろう。
既存の建物の構造や基礎の状態により、そもそもリノベーションが現実的なのかを確認する必要があります。老朽化が進んでいる場合、リノベーションに多額の費用が掛かる場合もあるので、「建て替え」のほかにも「住み替え」も視野に入れて計画することも考慮しましょう。
リノベーションでは間取りの変更が可能ですが、建物の構造や用途地域による条件により、不可能な部分がある場合もあります。さらに、工事車両の通行や近隣への理解も含め、工事する必要があります。また、高齢者がいる場合、あまりに間取りを変えたり、新しい環境に対することへの理解も大切な要素です。
リノベーションは部分的な改修で済むため、建て替えに比べてコストを抑えることができるケースが多いです。また、リノベーションに対応するローンもあるので、これからのライフプランに合わせた選択をお勧めします。
④建て替えのメリット・デメリットを知ろう。
【メリット】
現在のライフスタイルや、将来を見据えた家族の変化などを検討しながら、自由に設計できることが最大のポイントと言えます。間取りや仕様を決める際、既存の住まいに対する悩みを解決できる要素を取り入れると良いでしょう。
性能面、構造面などを最適化することにより、長く快適に暮らせる住まいに期待できます。また、断熱材や省エネ設備を取り入れることにより、コスト削減を導く優良な住まいの選択も可能です。
新築であるため、耐震性や耐火性など、安全面での安心感が大きいです。昨今懸念される震災などを考えた時に、安心感を持てることは非常に有利と言えます。
【デメリット】
建て替えには多額の費用が必要であり、解体や造成工事などを踏まえると、基幹的にも長期にわたるケースが多いです。
工事中は仮住まいを用意する必要があります。既存家屋で不要なものの処分や借家の検索、手続きなど手間と時間がかかることも。また、暮らしながらのリノベーションを対応してくれる業者もありますが、そこには信頼関係が不可欠です。
長年住んだ家を取り壊すことで、思い出が消えてしまうことに対する心理的負担があるかもしれません。
⑤リノベーションのメリット・デメリットを知ろう。
【メリット】
建て替えと比較した際に、費用を抑えられることが大多数です。予算の範囲内でより柔軟に工事ができるので、既存建物の状態によってはベターなケースも。
解体工事の期間が無く、部分的な改修を行う場合、工期が比較的短縮できるのもメリットです。仮住まいをせず、暮らしながら施工できる場合もあり、高齢者がいたり、小さなお子様がいる場合は、ストレスが抑えられる可能性があります。
適切なリノベーションを行えば、建物の資産価値を維持・向上につながります。これまでお世話になったわが家への愛着もさらに深まるかと思います。
【デメリット】
既存建物の状態や構造などに依存するのがリノベーション。そのため、大幅な間取り変更や構造強化が難しい場合もあります。その場合は、建て替えや住み替えなどの検討が必要かと思います。
目に見える部分での見積もりと計画に則って進捗するため、別工事や新たな要望が発生することも…。その場合は当然金額が上乗せになります。計画通りに進みにくいのもリノベーションの特徴と言えます。
既存の建材を利用することもあるので、愛着を存続できる一方、新築と比較して耐久性や断熱性といった機能面で劣るケースもあります。ただし、適切に断熱材を充填したり、窓を回収したりすれば、旧家より快適な暮らしを実現できることも。
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